ボーイ船長の憂鬱

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コテージの朝の眠りは、いつも船のエンジン音で破られる。

ここはセブ島南端、リロアン・ビーチ・リゾート。

向こう岸はネグロス島の学園都市ドマゲッティ。

ここリロアン村はドマゲッティへの物資の積み出し港。

港といっても、数年前までは桟橋もなく砂浜だけで、遠くセブ市からトラックで運んできた荷物を人夫が胸まで海に浸かって船へ運んでいた。


おいらが最初この村に来た頃は、半分くらいの家では電気も引かれておらず、夜はランプで、外が暗くなると村びとはさっさと寝床へ入って寝ていた。

そのかわり人々の朝は早く、朝薄暗いうちから動き出し、おいらが眼を覚ま