ふくらんだ不安はいきつくところのない方向に...

10回鳴らしたが受話器はとられない

それから6時20分、6時40分、7時・・・
3度かけても通じない。。。

おかしい、今日は早目に帰るはずなのに.....

陽一の疑心暗鬼はますます高まり頂点に達したころ
午後7時40分、5度目の正直で
やっと通じる

「もしもし、陽一だけど・・・」

「あ、陽一君?」

さゆりの声は沈んでいるようにも
困っているようにも感じられない。。。

むしろ陽一の方が
不安と疑心にみちていた・・・

「ああ ..... さゆりちゃん
メモみたんだけど、なにかあった?」

「あの・・・来週のお食事会
ちょっと都合がわるくなって