あやとの想い出~実家への挨拶

パートさんが来なくなってからも、あやはスパ施設のシフトがまだ残っていたので、すぐには一緒に暮らせなかった。
その前段階として、実家へ挨拶に行く必要があった。
あやの母親はかなり前に亡くなっており、父親も老人ホームに入っていてボケているらしかったので、挨拶は私の両親に対してだけだった。
シフトの間を縫うようにして、私たちは新幹線で広島の実家に向かった。人生のほとんどを船橋で過ごしてきたあやは、大阪より西に行くのが初めてだった。
初めての顔合わせはやはり少し緊張した。というのも、最初の妻は人見知りの上に世間知らずで、そのあたりがまったく不得手だったからだ。し