あたゝかき正月なれば麦踏まん 北里 信子
すべもなき心まぎらせ麦踏みに 小原菁々子
ともに踏みて光る麦の芽好敵手 伊藤京子
光る山傘さして少年麦を踏む 田川飛旅子
きさらぎの麦踏みのぼる向ひ風 中拓夫 愛鷹
凧を子にゆだねて麦を踏みはじむ 佐野美智
夕ざれや麦踏む音の山畑 中島月笠 月笠句集
夕焼の奈落が見たし麦踏めり 中拓夫
子は母の影に入りては麦を踏む 馬場移公子
宅地並課税の畑に麦を踏む 瀬上 實
昼月に刻をあづけて麦踏めり 宮津昭彦
来世がありて麦踏む岬の果 佐野美智