終着点

ある小説を読んで。

主人公に向かって昔の同僚が現役時だいのような話をする。二人ともすでに現役を遠ざかっているにも関わらず。
「この人はもう、行き止まりから引き返して来る途中なのだろうか。昔を熱く語ることによって、別の奇妙な生き物として新しい姿を現したかのようだった。
憐憫と寂しさと優越感を綯い合わせた思いが」
主人公を締め付けるという場面がある。

行き止まりとは人生の終着点のことだが、この本の著者は
「行き止まりから引き返して来る」
ということを主人公の目を通してネガティブにとらえているわけだ。

が、生前整理とか終着点に向かって着々と進めるのも