宮参り威儀を正してしずしずと



 霊山の威儀を庇に大根干す  遠藤梧逸

 國ぶりの威儀の大椀雑煮餅  及川貞 夕焼

 糊浴衣威儀を正して乾きけり  朝山義高

 鰭酒にいささか威儀を崩したる  山田弘子

 威儀なして門燈ありぬ木の実落つ  依田明倫

 渡し銭島へ五厘や糸柳  岩本尚子

 転校の中学校の柳かな  本多草明

 葉柳や裾不揃ひのニューファッシヨン  佐藤倭子

 葉柳や星飛ぶ五千三百里  会津八一

 旅籠屋のよき灯に泊る柳かな  小杉余子 余子句選

 颱風の名残りの風の柳吹く  高野素十

 鯊落ちて柳は青し博多川  水原秋櫻子 蓬壺

 新緑の柳の木ある