路面濡れ潤む屋台の灯りかな



 駅前の屋台整ふ星祭  新津栄子

 夏祭り綿あめ薄紅巻き取って  アロマ

 屋台出て月のいびつな新世界  岡澤康司

 今日出でぬ屋台や合歓の雨あをき  古賀まり子

 肝焼や土用次郎の屋台酒  太田蓁樹

 行秋や膝から暮れる屋台酒  窪田 穣

 とんこつ味の「屋台ラーメン」五食入り  アロマ

 湖畔ゆく蓮の実売りの屋台かな  明隅礼子

 花もつ雑草 屋台の昼の眠りの原  伊丹三樹彦

 山国の秋冷に開け屋台蔵  藤田湘子 神楽

 秋めける灯に蟹赤き屋台店  山形勝峰

 春泥に屋台たつきの火を熾す  山野邊としを

 鯛焼の屋台に並