飛花帯ひて夕帰り来るほつれ髪 尾崎紅葉
飛花落花惜む己れの齢とも 高木青二郎
飛花落花手をかざすとも掬ふとも 上田日差子
落花たちまち飛花となる篝の火 鷹羽狩行
落花にも飛花にも会はぬ年もありぬ 後藤比奈夫
飛花落花 髭で払って 鯰浮上 伊丹三樹彦
水面に飛花落花ともに美しく アロマ
まばたきのあとの凝視や飛花の中 町田しげき
水あれば飛花の輝き弾みけり 関森勝夫
火焔太鼓据ゑたちまちに飛花せめぐ 佐野美智
緩やかに飛花数枚春の午後 アロマ
時間より飛花を早しと思ふとき 後藤比奈夫