秋霜は融け、烈日は曇る。一段厳しい倫理が求められる職業がある。

検察官が身につける襟章を「秋霜烈日章」と呼ぶ。意匠としては旭日と菊花を合わせたものだが、この襟章を付ける人間は、霜の降りる冷たさと厳しい日の光を犯罪に向けると云う意味が込められている。それが検察官の信条である。

  たかだか点ピンの賭け麻雀である。しかし、時にはそれを刑法犯として、秋霜烈日を旨に、人を法廷に立たさせなければならない立場にある人間には、一般の公務員より高い倫理性が求められて然るべしである。

  検察官は、一般の公務員とは違い、裁判官並みの身分保障が有る。国家公務員一般事務職の最高位は各省庁の事務次官と言われるが、法務省においてはその上が