豆笛を吹くピーピー音澄んで



 麦笛やおのが吹きつゝ遠音とも  皆吉爽雨

 麦笛や少年の日の思はるゝ  上村占魚 鮎

 麦笛を吹く子に雲の美しき  原石鼎

 麦笛に黄昏れてゆく岬かな  中村白楊

 麦笛のなかなか合はぬたのしさよ  相馬 黄枝

 麦笛の真昼きこえて地をする燕  内藤吐天 鳴海抄

 麦笛やあかがねいろに甲斐の空  青木重行

 草笛に吹くよ別子の銅山節  品川鈴子

 草笛も口笛も吹く旅の夫  橋本美代子

 「草笛」という演劇集団を見る アロマ

 草笛のきこゆるごとき手紙かな  加藤三七子

 草笛や巫女を姉とし吹き習ふ  阿波野青畝

 草笛や嘆き