「トマトにねぇ、いくら肥料をやったってさ、メロンにはならねんだなあ」（相田みつを）　

　相田みつをさんのこの言葉はいったい何を示唆しているのだろうか。可能性がゼロに近い場合には無理に頑張らずに、早いとこあきらめなさい、とでも言いたいのだろうか。もちろん、そういう意味も含まれているのだろう。

　本当の意味は、メロンがトマトより高級だと捉えているのは欲の深い人間だけ。トマトはトマトで頑張って生きているし、メロンはメロンで頑張って生きている。それでいいじゃないか。どうやら、そういうことらしい。欲深い親の言いつけで才能もないのに無理やり他人の真似をさせられて