美女をやめて



貴女の目  開いてるけど
  みてるようで
   みていない

 歯の無い口を あけていて
  そこは 小さい 洞穴のよう

白くすきとうる肌は
  ピンクに染まって
   白髪が それに 品を添える

 まるで 赤子のような

 目は こんなに 小さかったかしら?

 大きい目の美しい人だったのに

 かっての美女は 眠りについている
 一日の 大半を

 隣のベットも 同じ表情だ

 ロビーには 車椅子が数台
 
 テレビは 笑ったり 怒ったり むなしくこだまする
 ロビーからは なんの反応もなく

 眠りこけてる顔は どれも 同じ顔

 赤子の