洪水とパンデミック:照明もない室内にぎゅうぎゅうに詰め込まれた家畜の免疫はストレスによって落ち込み、細菌感染を防ぐには抗生物質が多用される。あたかも、満員の通勤電車に自らを押し込むために、風邪薬を呑みこむが如くに悪者を責めることではない。悪者が生まれないような環境へと状況全体をシフトすることなのだ。

皮膚は臓器である。消化管がぐるりと裏返っておもに排せつ作用をする。表皮はひじょうに薄くて、とくにツラの皮がデリケートで薄いのは、その下の表情筋を伝えるためである。防腐剤をはじめとする化学物質をその毛穴から叩きこんだりなすりつけることが原因で皮膚科にかけこむ患者はあとを絶たない。




ウィルスによるパンデミックと洪水との接点は、免疫が失われることの懸念である。

自然とふれあわない、端的にいえば地に足をつけていない東京のような、アスファルトで舗装された街で暮らす人々は土からのさまざまな菌類と縁が遠くなっている。昔の子ども達は泥だんご、虫いじりでずいぶん