87、「歌丸不死鳥ひとり語り」(桂歌丸著)は落語家の60年語る

「歌丸不死鳥ひとり語り」 桂歌丸著 中公文庫
2018年8月20日発行
ー横浜にあった真金町遊郭。その中にあった「富士楼」という見世があたしの生家です。
 あたしは「富士楼」を経営する祖母のタネに育てられました。
 戦後まもなくの、笑いなんてこれっぽっちもない世の中なのに、寄席には温かな笑いがあった。人を笑顔にさせる仕事ができたらなあと、色街育ちのませた小学生は考えたのです。
(あたしの本名は椎名巌)
 自習の時間は「椎名の時間」になっちゃった。(ラジオで覚えたばかりの落語を1席やってみたら、これがバカウケ。)
 紹介されたのが、5代目の古今亭今輔師匠で