夕風に若者は髪靡かせて



 若者の夜濯ぎロック流しつつ  武田光子

 若者の恋の氷菓の溶けやすし  小俣由とり

 若者の居る明るさの冬灯  稲畑汀子

 若者の愛語さらりと夏みかん  岡田 和子

 若者の音量で聴く梅雨のジャズ  勝田公子

 若者の爽やか哀愁心地よく  アロマ

 花冷えて若者の歌胸に沁む  相馬遷子 山河

 おそく来て若者一人さくら鍋  深見けん二

 われを囲む若者ばかり星祭  三橋鷹女

 顔上げて若者なりし焼藷屋  都筑智子

 若者の支度GパンとTシャツ  アロマ

 夏の海若者のみのものならず  中西利一

 夏の夜の波止若者等来て占むる