『みをつくし料理帖~今朝の春~』

シリーズ4作目です。

『みをつくし料理帖~今朝の春~』

1話 花嫁御寮…ははきぎ飯

澪が密かに想いを寄せる小松原が
落としていった小さな包み紙

地膚子=ほうき草の実を乾燥させたもの=ははきぎの実
薬効があり浮腫みなど腎の薬と用いられる。

非常に厄介で手間のかかるこのははきぎの実を
澪は根気よく丁寧に食材として使えるようにする。

小松原の母がそれを食したとき
澪に掛けた言葉が、正直で真心がこもっている。

「精進を厭わぬ心ばえ
 決めたことをやり通す芯の強さ
 加えて心根の温かさ
 そうそう居る娘ではない。
 あれの人を見る目の確かさを