リラ冷えの宵の静けさ楽しんで 



  朝は蒸し暑く キャミソールを着る

  
 リラ匂ふベンチに憩ふ午後三時  粟倉昌子

 真昼間の夢の花かもライラック  石塚友二

 庭に出て見るは夕のリラの花 米谷よし子 粟倉昌子

 しなやかな気韻を残しリラの風  片岡久美子

 リラ冷や絵硝子にある物語  能村研三

 リラ咲いて嬉しい便り我がもとへ  アロマ

 チエロの音は慕情にも似てリラの夜  塩貝朱千

 窓側が好きリラの香の風入れて  堤京子

 リラ冷えの街にぽつりと夕灯  田中信行

 リラ冷の日の大会と記憶せん  安原葉

 リラ咲いてテラスに搾りたての牛