女の子とジェラートと秋と

江ノ電が藤沢を出て鎌倉に向かう。江ノ島を出てしばらくすると大きく左にカープして腰越の海に走る。

その曲がり角に小さなジェラートの店がある。
間口2.5m。椅子が4つだけのほんの小さな店。店の外に二人掛けのベンチがあって、目の前を江ノ電がゴトンゴトンと通って行く。

オーナーは10年間ロンドンでシェフをやっていて帰
国して店を開いたと話してくれた。

小さな女の子が眼の前にわっと走り込んできた。小学4年と2年くらいかな。ケン、ケン、パッと両足を開いてジェラートのケースの前でぴたっと止まった。
爪先で立ってケースを覗いている。

「今日は、なににしますか」