「大阪の風景」追加 山片蟠桃のこと

「大阪の風景」追加 山片蟠桃のこと
山片蟠桃は、いち商人である。武家ではないのに、主家にたいする忠誠心が、実に素晴らしい。

商人は、最初、丁稚奉公に商家に入り、手代になり、やがて番頭になる。
業を習得し、やがて独立するのが、一般的な型ではないだろうか。

ところ、蟠桃は、傾いた升屋、再興に尽力し、再興が叶っても、なお、升屋から独立しようとしなかった。
野心がないという感じではない。

主家から、親戚扱いの待遇を与えられて、山片の姓を名乗ることを許された。
ところが、山片姓を名乗るのは、自分、一代限りとしてほしいと願い出ている。
自分の子孫たちが、主家に