こなくてよかったサンタクロース

むかし、むかし 
貧しい病気がちなお母さんと、 
小さな男の子が2人が住んでいました。

内職で生計をたて、
爪に灯をともす貧しい暮らしの一年のなかでも、
今日は特別な日、クリスマスイブです。

「ねえ、ママ。今日はクリスマスイブだね」

男の子がそう言うと、
お母さんは内職の手を休めて、

小さな声で「そうね」といいました。

「ねえ、ママ!
今日はサンタクロースが来るんだよね!
サンタクロースが靴下の中に
プレゼントをいっぱい持って入れて帰ってくんだよね!?
ねえ、ママ。そうだよね!」

貧しい暮らしの中で、
プレゼントも買ってもらえない坊やが、