東大寺塔頭 知足院


 東大寺境内の北のはずれにひっそり佇む

 東大寺の塔頭寺院 知足院

  
 久しぶりに訪れる

 崩れかけた土塀の佇まいに惹かれるものがあり
 通い始めてもう何年になるだろう

 ふと通りかかり荒れた境内のはげ落ちた土塀に
 こころが寄り添って通い始めた

 人の気配のない境内に
 冷たい風が吹き抜ける
 崩れた土塀に無住の寺の寂寥が忍び寄る

 ひとり佇むと限りなく乾いた風が頬をなぜて
 怖いほどの静けさは不気味でさえあった

 そんな荒れ寺にもたった一日だけの賑わいが訪れる


 毎年7月24日には朝8時から2時間ほど東大寺知足院唯一の大規模な