志木散歩 ー落ち椿・寶幢寺ー

桜の開花に先立って咲き始め、散り急いで北上する桜に比べ悠揚迫らぬ姿で見送るかのような椿の花。

新渡戸稲造が「武士道」の中でヨーロッパ人が好む薔薇と比較して桜の散り際の潔さを日本人の国民性として賞賛している。そして
「太陽が東から昇って、この極東の島国を照らし、桜の香りが大気を匂わすとき、その美しい日の香気を胸いっぱいに吸うことほど、われわれの気分を清澄爽快にするものはないだろう」(「武士道」須知徳平訳)

東から昇った太陽はこの日は雲に遮られ陽も青空も灰白色に塗られた下を志木駅(東上線)から15分ほど住宅街の中を歩いた。真言宗 地王山法幢寺の枝垂桜を見