街歩きの愉しみ(高田馬場Ⅰ)

街歩きには人それぞれの愉しみがあるだろうが、
私は、とりたてて記憶を辿る道のりが好きで、
現在の風景を過去と重ねてみるとき、
時間の不思議を感じる
そこに計り知れない郷愁を感じるのは、
なぜ、だろうか
時間は不思議、だ
とてつもなく、不思議だ


まだ帰宅するには早い、
ある日、時間に恵まれた機会に、
高田馬場から下落合までを歩くことにした
この道は、かつて毎日のように利用した道

高校一年生の夏、
中学時代の友人に誘われて、建設会社の下請け企業でアルバイトをすることにした
一か月を彼とともに過ごす予定でいたが、
就労して間もなく、二人で、命じられた作業