ユスラウメ

ユスラウメ

 庭にある小さな赤い実をいくつもつけた木が、しばらく前から気になっていた。

 家族に名前を尋ねていたのだが、ようやく思い出したと言って、「ユスラウメ」という名を教えてもらった。
 調べてみると、「梅桃」という字を当てるらしい。

 子供の頃に暮らしていた家に植えられていたものを、この家に移してきたらしいが、このような木があった記憶がまったく無い。
 聞くと、弟は時々赤い実をつまんで食べていたことがあったらしい。

 なるほど、これって食べられるのか~と、一つ摘んで口に放り込んでみる。
 薄い皮が破れ、甘酸っぱい果汁が口に広がり、種が残った