家居して熱きお茶淹れ梅雨模様



 金玉篠つく雨もよき家居 大津希水

 薺はやす浅草川の家居哉 角田竹冷

 よき旅を語り雛に家居せる 稲畑汀子

 萩植ゑて深く住へる家居かな 篠原

 朝霧に海山こつむ家居かな 広瀬惟然

 雲ふかく瀞の家居や今朝の冬 飯田蛇笏

 家居して深夜に雷鳴轟く  アロマ

 今落葉だらけの家居楽しまむ 稲畑汀子

 蟹漁期榾火絶やさず家居婆 鈴木真砂女

 鴨浮寐家居愉しみゐるごとく 藤崎久を

 旅疲れともなく家居きうりもみ 稲畑汀子

 夏至の日の家居いづくに立つも風 岡本眸

 家居より外出尚よし春の雨 阿部みどり女

 家居して熱きお茶淹れ梅