蝉時雨さわさわ涼し風に乗り



 泡盛をロックで斑蝶の昼  佐久間敏高

 泡盛の古酒(クース)ロックや海の碧  丸山酔宵子

 久米仙といふ泡盛に舞ひ落つる  柳川晋

 大甕に泡盛醸す蔵涼し  近藤暁代

 泡盛に島唐辛子名物よ アロマ

 泡盛を五腑にそろりと那覇の夜  坪田秀邑

 泡盛と婚姻色の魚下げて  須佐薫子

 泡盛を一気に干すや海紅豆  前田美恵子

 風ぐるみ刈りて藺草の深みどり  坂本京子

 藺草刈る暑熱の中の農作業  アロマ

 懐しき藺草の香風通る  杉野原弘幸

 山の田の細藺に澄みて糸とんぼ  大竹淑子

 梅干して母の生きが