「毎日新聞」7月3日の「今週の本棚」より
「エルサレム 以前の アイヒマン」
ベッティーナ・シュタングネト著 香月恵里訳
みすず書房 6820円
この本を取り上げて、評してくれているのは飯島洋一氏です。
アイヒマンと聞いたら、どんな人物だとイメージしますか?
ヒトラーの命令に従っただけの、忠実な部下、ただの歯車、という感じではないでしょうか。
それは、ハンナ・アーレントが、エルサレムで傍聴した、アイヒマン裁判の、詳しい記録本によって形成されたイメージだと思われます。
しかし、この本によれば、アイヒマンは、亡命先ねアルゼンチンで、誰に命じられたわ