劇的に向日葵一つありにけり　 内野 修

　わが挫折めくひまわりの枯れざまよ 　楠本憲吉 孤客

　これを食とする満人と畑の向日葵逞しく　 荻原井泉水

　向日葵がすきで狂ひて死にし画家　 高浜虚子

　向日葵と立つ門衛や農学部 　深見けん二

　向日葵に囲まれ酸素不足なり 　山崎せつ子

　向日葵の色燦然と輝いて　アロマ

　向日葵に昼餉の煙ながれけり　 西島麦南 人音

　海鳴りへ大向日葵へ長停車　 奈良文夫

　向日葵にヘッドライトや夜の給油 　鷹羽狩行

　向日葵のブローチ付けて演奏会　アロマ

　ひまはりや保健婦自転車押して来る　 椎橋清