何となく辺り晩夏の佇まい



 燕も蝉もたしかに秋立ちぬ  塩谷鵜平

 横雲のちぎれてとぶや今朝の秋  立花北枝

 オリンピック立秋なれどもただ暑く アロマ

 秋立つと耳に鈴振る海の店  中拓夫

 楢紅葉一路在所の秋に入る  中山白峰

 汲む水に山のこゑ聴く今朝の秋  高橋 淑子

 その昔立秋の翌日爽やかに  アロマ

 ひるからの雲に敏くて酔芙蓉  下村非文

 おはじきは今朝の空いろ芙蓉咲く  古沢太穂

 なんの夢見て咲き出でし花芙蓉  平手むつ子

 さわ~と松風わたる芙蓉かな  富安風生

 あかつきの清気真白の酔芙蓉  河野静雲

 うすうすと刻を染めゆく