バスの紳士

コロナが流行る前のこと、人は普通にバスに乗るし、会話もしてた。
その頃の話です。

バスに乗ると、斜め後ろの席に、お金のありそうな70過ぎだろうか、紳士と、60ぐらいの、これも上品な女性が座っていた。二人共、バスよりタクシーが似合う感じ。

二人の会話を聞いていると、夫婦ではなく、絵か短歌、俳句などの趣味の集まりの先輩・後輩か、先生と生徒、という感じである。

紳士は女性に若い時の自慢話などを聞かせている。女性は紳士を立てるように、そつなく相槌を打っている。
どうしても聞こえて来るので、聞いていると、紳士は上品な女性に、自分の優秀さを自慢しなくてはいられ