赤い異邦「モロッコ」紀行、其の九。アトラス越え。

朝は八時半にホテルを出発。快晴である。いよいよこれからモロッコの二つの顔すなわち北側のマラケシュ、フェズ、メクネスといった大都市、城壁とメディナの世界。南側のサハラ砂漠、カスバとオアシスの世界に分けるアトラス山脈を越えて行く。

マラケッシュを出てすぐもう延々と広がる乾いた大地。静寂、広大さ、素朴さ、そして解放感、ふー、とにかく逆立ちしたって島国ではお目にかかれない光景で圧倒されっぱなしになるのである。やはり、この光景を抜きにしてはモロッコは語れない。ところでアトラス越えこそは、モロッコの旅のなかでも一番のハイライトという意見もある。あまりの風景の変化、