赤い異邦「モロッコ」紀行、其の一〇。カスバ街道。

実はこの時中川さんに聞いて、初めて知ったのだ、カスバとは城壁に囲まれた要塞のことをいうのだそうだ。

「じゃあ、カスバの女というのは要塞の女ということ。」
「まあ、そんなところです。」

そうボクたちは歌謡曲カスバの女でカスバをイメージしがちだが実際のカスバはまるで違うもの。そのことのついて、旅の達人、蔵前仁一氏の「カスバの女は哀しい酒に酔っていたか」という文章が面白い。

「ご存じの方も多いと思うが、カスバの女という古い歌謡曲がある。カラオケでは今も人気の高い曲なのだそうだ。歌詞の内容はこうである。

涙じやないのよ/浮気な雨にちょっぴりこの頬濡らした