連載:日々なんてことないこと

茨木のり子の詩 「わたしが一番きれいだったとき」

「現代詩の長女」と呼ばれる詩人、茨木のり子(1926〜2006)

11 年前のちょうど今頃、茨木のり子さんの初の回顧展が開かれていると知り、高崎市の県立土屋文明記念文学館へひとり出かけたことを思い出しました。

11歳で母と死別したこと、そこのところしか私と共通点はないけれど…茨木のり子さんの詩がとても好きです。


19歳で終戦を迎える。

「わたしが一番きれいだったとき」

わたしが一番きれいだったとき
街々はがらがら崩れていって
とんでもないところから
青空なんかが見えたりした

わたしが一番きれいだったとき
まわりの人達がたくさん死んだ