凄く良い話を

「俺、知的障害者です」

9月になると思い出す。
2012年9月、全盲のマラソンランナー星純平さん(当時37・富岡町出身)は、宮城県で行われた白石蔵王高原マラソンの20キロに出場した。

11キロ過ぎに伴走者にトラブルが発生、走るのを止めた。その時伴走者が、目の前を走り去るランナーに向かって「誰か、盲人ランナーの伴走してもらえないでしょうか!」と大きな声で呼びかけ始めた。

しばらくすると一人の青年が「僕がやります」と立ち止まってくれた。宮城県利府町に住む菊地慎さん(当時27)だった。伴走者が言った。「この人は全く目が見えません。宜しくお願いします」と。