「男どき女どき」は、あざなえる縄のごとし

 21日の「朝日新聞」夕刊3面の上半分に、向田邦子没後40年に当たって大きく取り上げられていた。
 半世紀前の向田さんの作品が、現在も色褪せることなく若い人にも多く読まれていると伝えている。

 向田さんはいつも、≪人生はあざなえる縄のごとし≫と言っていたそうで、人生は幸せと不幸せという2本の藁で編んだ縄のように、それは交互にやって来るものだと。
 淮南子の「人間万事塞翁が馬」(人生の吉凶は俄かには決め難い、予測できないものだ)というものより一歩踏み込んだ、幸・不幸は順繰りに必ずやって来るものだという諦観をもって運命を受容し、達観していた風でもあった。