連載:親を老人ホームに入れる話

あんたはいいせがれだった

水曜日。朝に母から電話。

「おじーさんが熱出しちゃって」

朝食も摂らずに寝たきりなんだという。
すぐ訪問医に電話。

「承知しました。11時くらいに伺います」

と返事をもらう。
そのまま老人ホームへ。

父はベッドで寝ていた。呼吸が荒く、意識はない。

昨晩は巨人戦を見て、ビールを一杯だけ飲んで寝たそうな。
熱を計ると38.8度。おそらくは誤嚥性肺炎だろう。うーん。今回はダメかもしれん。

だがしかし母は落ち着いたもので、

「紙おむつがなくなったから買ってきて」

なんて指示をワシに飛ばす。
11時、医師が到着。胸に聴診器を当て

「そんなに重く