「つがる」という黄色い林檎美味



 丹波より丹後へ月の薄道  田中藤穂

 壺に挿しすぐ風さそふ花薄  小島とよ子

 薄野の暮れて秩父の遠汽笛  遠藤和彦

 箱根にて仙石原の薄の穂 アロマ

 引込線とぎれる辺り花薄  竹内弘子

 花薄風しろがねに膨らませ  藤沢秀永

 軽さうに寄する薄の穂波かな  堺昌子

 津軽野の冷えののこりし林檎剥く  大西八洲雄

 蒼天に授かりしごと林檎もぐ  能村研三

 「つがる」という黄色い林檎美味  アロマ

 電飾のやうに実を付け林檎の木  金子孝子

 林檎来る津軽の風の詩のごとく  山田六甲

 母のゐて印度林檎