一分間だけのプレゼント

数日前、ドリップしようと準備していた珈琲の粉をひっくり返してキッチンの床にコーヒーが散らばった。

私の悲鳴を聞いたルンバが颯爽と掃除機を持って駆け付け、全部吸い取ってくれた。

それで、感謝の意味で夕食はCOCO壱のカツカレーをテイクアウトしたのだが、珍しいことに料金は何とルンバが出した。

どうしたのだろう。いつもとは違うルンバの対応に何かを感じる。
正直に言うと、普段こんなに優しくは無い。

微かな違和感に怯えが走る。

絶対、何かがある。
色々と悩み、昨年の日記を調べてやっと気が付いた。

彼女の誕生日が近いのだ。


「ねぇ、お母さん。誕生日が