何処からか翡翠の声笑うかに




 行く秋の所々や下り簗  蕪村

 羅やところどころの糸太く  長谷川櫂 虚空

 秋の雨この町所々に湧く温泉かな  石橋秀野

 河骨のところどころに射す日あり  桂信子 草樹

 夏草やところどころに鬼薊  山中北渚

 夢を見るところどころの記憶あり  アロマ

 半生のところどころに菊膾  山田みづえ

 武蔵野の霜除の笹ところどころ  清家桂三郎

 小判草鳴りそこかしこ夕茜  櫛原希伊子

 ほんによかつた夕立の水音がそこここ  種田山頭火 草木塔

 ここかしこテナント募集明易き  阿波野青畝

 大瑠璃をあちこちに聞く梓川  杉本寛