フライパン葱じっくりと焼きお浸しに



 あかときのチグリスわたる葱車  加藤秋邨

 ぐい呑にきざみ葱あり良夜にて  能村登四郎

 この里の露霜の葱あまかりし  能村登四郎

 なめくぢも夕映えてをり葱の先  飴山實 辛酉小雪

 串焼きの葱の熱さよ三の酉  鷹羽狩行

 人の世へ覚めて朝の葱刻む  三橋鷹女

 夕暮の葱の香の家に生きて帰る  能村登四郎

 多摩の子は葱畑より凧揚ぐる  山口青邨

 味噌汁に葱たっぷりと切り込んで  アロマ

 山畑や葱につまずく霧のなか  能村登四郎

 寒タ焼人をもてなす葱買ひに  鈴木真砂女

 山上の御坊に届く葱一荷  松崎鉄之介

 折れ