老いらくの恋     山茶花       十一月三十日

山茶花(さざんか)です
今の時期、まず目に付く花といえばこれでしょう
薄いヴェールを冠った花嫁さんのようで、いかにも清純
大川サンの「さざんかの宿」に出てくる女性はこんなかな
曇りガラスを手で拭きそうな、はかなそうな女のイメージ
曇りガラスを拭いても、外も見えなきゃ明日も見えるわけもない
それでも拭いてしまうのは女ごころ?
どうせ途(みち)ならぬ恋なんだから、明日なんか見えないほうがよくはないのか?
こんな花が床の間の花器に一輪挿してあると、茶室が華やかになります 
香りも品が良いしね
名前の由来は山茶花(さんさか)が転じた説と、ツバキの中国名である山茶