街歩きの愉しみ4 (等々力渓谷)

新規採用で、
昼間の勤務となった
最後の一年は担任として働いたが、
卒業させることもなく、
四年を勤め、
目黒区内の夜間学校に転勤した
内規に反していたわけではないが、
無責任の誹りは免れない
しかし、
私には時間が必要だった

新たに赴任した学校では組合から歓迎を受け、
等々力渓谷沿いにある
ロシア料理店での食事会に招かれた
都区内の事情にまったく無知であった私は
都会の喧騒のうちにありながら
静寂という異空間を成した造形美に魅了された
しかし、そのときは勤務時間前で、
ゆっくり散策することはできなかった

当時、公立学校の労働組合組織率は、およそ八割