海を渡る蝶~てふてふ(蝶々)が一匹

  てふてふ(蝶々)が一匹、韃靼海峡を渡って行った

  安西冬衛という詩人のことはよく知らないが、この印象的な詩だけは何となく覚えているという人が多いのではないでしょうか? 因みに安西冬衛(1898~1965)は奈良県出身、大阪の堺中学校(現・三国丘高校)卒。この詩を作ったときは満州にいて病気になり、日本へ帰りたくても帰れない状態にあったといわれます。

  それにしても、一度聞いたら忘れられない強い力を持った詩だと思います。一匹の小さな蝶が、北国の荒々しい海の上を飛びわたっていく光景は、あまりにもドラマチックでロマンを掻き立て、強烈な印象を与えます。