冬の朝オートミールの熱々を



 喜寿すぎて走らぬと決め年の暮れ  品川鈴子

 黙しつつ日々穏やかに年の暮  後藤洋子

 寒暁の変幻自在桜島  水原春郎

 ミルクのごと冬の朝日が体内へ  田中空音

 冬の朝思考靄めきまだ眠い  アロマ

 冬の朝無色透明より始む  半澤佐緒里

 寒暁の跳ねて一番網の鰯  遠藤真砂明

 冬の朝渋滞著き都心かな  稲畑廣太郎

 冬の朝都心の空気眠たげに  アロマ

 窓の辺に鶺鴒踊る冬の朝  駒井のぶ

 雨となる喉うるほへり冬の朝  稲畑汀子

 冬の朝オートミールの熱々を  アロマ

 ガス点火まず湯を沸かす冬の朝