座りたくない人

夫と山間部のバスに乗った時の事。
始発である温泉前から乗車し、席はそこそこ埋まったが隣り合わせも含め4席ほど空席はあった。

私は見知らぬご婦人と隣り合わせに座り、後から乗った体格のいい夫は立ち乗りを決め込んだ。「あそこあいてるよ?」と私も促したのだが首を振り吊り革をつかむ夫。

発車時刻になった時だった。
運転手がマイクで「すみませーん、お立ちの方、座っていただけないでしょうかー」と一人だけ立っていた夫に声をかけた。

夫は渋々、目の前のシルバー席(単独席)に座った。
運転手「ご協力ありがとうございまーす」

40分後、終点に到着し合流した仏頂面の夫。