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ドアチャイムが鳴った。
「郵便局でございます」
「あら、現金書留かしら」
勝手に推測して私の頬が緩む。
「今頃、誰からかしら」
勝手に現金書留と決めて私は送り主を想像する。

「サインを一つ」
局員の指さす方を見ると、簡易書留、市役所からだった。
『後期高齢者保険証』と書いてある。
誕生日は未だ先なのに、早いなと思い、頬は硬くなった。

昨日西郷輝彦が亡くなったと聞いて、同い年だったと思ったばかりだったナ。彼も後期高齢者になっていたんだ。
ネットニュースは、こんな報道があった。
「星のフラメンコ」などのヒット曲で知られ、時代劇にも多く出演した歌手、俳優の