回顧

若い時は気が付かずにいても暫くして気が付くことがある。かつての若干20歳の私は公務員をしていた。当時、世の中は景気が良くて公務員のなりては少なく、民間企業は人手不足であった。

そんな中で私は一等兵の身分であり、将来就くかもしれない階級も自然と予測できた。なので一任期で退職を決めた。周囲の上官は思い留まるように何度も懇願した。が、未来の自分が分かってしまうと、こんなつまらない人生はない。

いよいよ退職の日が近づくと今まで見たこともない肩に沢山の光った階級の人が来て、個室に呼ばれた。突然にその偉い方が私の前で両手を地面につけて土下座をした。「退職しないで