故郷の種物屋は土間広し



 永き日や金平糖の角の数  浦川哲子

 永き日や手本新たにペン習字  永見嘉敏

 永き日や詩集開けばあの頃が  アロマ

 蕪村の里まで永き日のペダル踏む  藤田誉子

 永き日や辛子と卵とマヨネーズ  高田令子

 永き日や夕餉は芹のお浸しに  アロマ

 永き日の琥珀の中に虫覗き  田畑幸子

 永き日や鳥影遊ぶ句碑の面  田村文江

 永き日や棚田の裾の波の音  山本耀子

 古町の代の変りし種物屋  森田あすか

 雲に鳥幸手の街の種物屋  竹内弘子

 故郷の種物屋は土間広し アロマ

 幼き日記憶の街の種物屋  アロ