見沼散歩 —桜並木に誘われて—

彼岸からの誘いの道標に桜を見立てた人が多くいる。
「願わくは 花の下にて 春死なん その如月の 望月の頃」と西行は詠う。
良寛さんの「散る桜 残る桜も散る桜」も辞世の句だという。
更に「貴様と俺とは 同期の桜 同じ兵学校の 庭に咲く
咲いた花なら 散るのは覚悟 みごと散りましょ 国のため」と「同期の桜」

バスの終点「さいたま市立病院前」で降りて散歩を始めた。しばらく来ない間に病院の建物は新しくなっている。それこそ「世の中は三日見ぬ間の桜かな」と江戸中期の俳人、大島蓼太の句が思い浮かぶ。
花見の散歩—— 見沼田んぼを貫く見沼用水に沿って整備された遊歩道を