連載:花万朶

JR琵琶湖線


故郷へ帰る時、JRびわこ線を利用する。
石山駅からは席から立って行き、進行方向左側のドアにへばりつく。

デジタルカメラの電源を入れて、やがて来る風景を待つ。
ほんの20秒ほどの間に、通り過ぎてしまう、瀬田川の鉄橋。

入ったあたりから、狙いを付けてシャッターを押す。
陸橋の柱が、シャッターを押した瞬間、その後に来れば、しめた!と心が叫ぶ。

琵琶湖をカメラにおさめたい、そんな気持ちがいつも湧いてくる。
思い通りの絵が撮れているかどうか、確かめるのは鉄橋を通り過ぎてから。

晴れていても、けむっていても、琵琶湖はいつも私を迎えてくれる。




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